会議の前に議事録を書いてしまう
- Akihiro Goto
- 2021年1月31日
- 読了時間: 3分

議事録の定義は「会議や打ち合わせの内容、経過や結論などを記録してまとめ、それを周囲に伝えるための文書」ですが、議事録(またはそのドラフト)を会議の前に書き始めてしまうことで、PMOの一石二鳥の極意(というほどではありませんが)を紹介します。
会議をシミュレーションしてみる
進捗定例会議のファシリテーションは、PMOにとって最も基本的な役割の一つです。特にリモートベースの会議が中心となってからは、移動という概念がなくなってしまったおか
げで、30分や1時間の会議が連続してビッチリ埋まってしまうようになったと感じている人も少なくないのではないでしょうか。特にキーマンクラスの方ほど色々な会議に召集されがちなので、この傾向は高いと思います。
自分だけでなく、出席者の中のキーマンがスケジュールが詰まっている場合は必ず予定時間内に終わらせないといけないため、ファシリテーターにとってタイムマネジメントがより重要になります。そのため、会議アジェンダに沿ってタイムテーブルを予め頭に入れておかなければなりません。
しかし、報告が中心目的の会議であれば調整はさほど難しくないですが、プロジェクトの課題に対するディスカッションが含まれる場合は、コントロールが難しくなります。そこで、ファシリテーターとしては、今日の会議でどんな事で揉めそうか、どこで議論の時間がかかりそうか、予想を立てておくことが有効になります。そのためには、アジェンダを頭に入れておくことは勿論のこと、発表者からの会議資料に事前に目を通し、どんな事がホットなトピックになりそうなのかを把握しておき、会議の大まかな流れをシミュレーションしておく必要性が出てきます。
会議のポイントをメモしておき、議事録のドラフトにする
会議アジェンダに沿って、どこでどんなポイントが出てきそうなのか、またはPMOとしてどんな指摘をすればよいのか、箇条書きのメモを用意しておくと、会議を進行する上で非常に役に立ちます。指摘すべきポイントを予め把握した状態で報告者の話を聞くことができるので、報告内容に対する理解も深まります。そして、このメモは、議事録のドラフトとして活用することができる文書となるのです。
このメモに書かれていることは重要なトピックということになりますし、会議中で質問すべきリストにもなります。つまり、会議中での質疑応答について、このメモに既に「質疑」部分は記入されているので、あとは「応答」部分を付け足せばよいのです。これによって、会議後に議事録を作成する労力も効率化されることになります(もちろん自分以外の参加者からの質疑と応答は、両方追記が必要です)。
PMOファシリテーションに有効
この会議が始まる前に作成しておくメモは、会議当日のタイムマネジメントにも非常に役に立ちます。例えば、PMOとして本来は5つの質問をしたいのだが、5つ全部の質問をしている時間が足りないと判断したときには、その会議中で確認しなければならないことに絞って質問し、残りは別の機会へ回すといったコントロールが可能になります。緊急度が高くなければ、次回の会議アジェンダへ繰越してもいいですし、緊急度が高い場合は、別途会議をセッティングするといったコーディネートを的確に行うことに繋がります。特に重要なトピックについては議論に十分な時間をかける必要があり、限られた会議時間の中での性急な結論付けは得策ではないこともあるため、むしろ重要なトピックほど、別途臨時会議をセッティングするという工夫も有効です。もし会議が始まる前から時間切れが予想される場合には、予め出席者のスケジュールを確認しておき、会議の中で、臨時会議の日時提案を行い、関係者と合意しておくとなお望ましいと言えます。
このブログのタイトルである「会議の前に議事録を書いてしまう」の言いたいことを理解して頂けたでしょうか。
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